第五幕 「あなたは婚約者を愛してますか」

モンテ・クリスト伯邸の常軌を逸した豪華絢爛ぶりに唖然とするアルベールたち。伯爵邸地下には黄金で出来た屋敷にとどまらず、広大な海が広がっていた。伯爵の案内でゴンドラに乗船したアルベールは湖中の東屋で、ルナで見掛けた伯爵御付の美少女エデと再び出会う。自らのことを「伯爵という花を咲かせるためのしがない小枝」と称するエデ。伯爵は彼女を「生きながらにして魂を奪われた哀れな人形」と呼び、私が望みさえすれば命を絶つことも厭わないと豪語する。伯爵の非情さにさもありなんと納得の相槌を打つフランツ達だか、アルベールは伯爵はそれほど冷たい人間ではないと一人反論する。伯爵とエデの関係から貴族同士の結婚に話が及び、フランツとヴァランティーヌの本意のない婚約を知って憤るマクシミリアンはパリの貴族たちを侮蔑する言葉を口にする。自分の母の先日の行動に不安を抱いていたアルベールは反動で自分の両親の潔白をことさらに主張し、伯爵に先導されてマクシミリアンと決闘に及んだ結果、鮫の回遊する海中へと落下してしまう。伯爵に助けられたアルベールは彼と共に火を囲み、伯爵にもアルベールと同じような不安があるのだという告白を受ける。伯爵にとってアルベールは必要な存在で、あの日ルナで知り合ったのは偶然ではなく運命なのだと。自邸に戻ったアルベールはふたたび両親に二人の馴れ初めを確かめるが、その夜また母メルセデスの憂悶の表情を目にし、疑いをさらに強いものにしてしまう。翌日、アルベールは婚約者ユージェニーとの会話から、自分がやはりマクシミリアンの言う通り愛のない結婚をしつつあるのかもしれないことを自覚し、表情を曇らせるのだった。


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